2022年も、よろしくお願いいたします

2022.01.13

2022年になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

先日の3連休は、自宅の庭にあるブドウの樹の剪定を行いました (とは言っても10本ほどですが)。
我が家より250mほど高いヴィラデストのブドウ畑では、寒さのピークが過ぎる2月初めごろから開始する予定の剪定作業ですが、個人的には畑作業の中で一番好きな仕事です。
冬の静寂の中で黙々と昨年伸びた枝を切り戻し、今年、そして未来の樹形を形作る作業。20年以上もやっていると、あまり考えなくても体が勝手に動くようになっていますので、心が落ち着くとともに、今年のワインづくりに向けて気持ちが高まるのを感じます。

ヴィラデストワイナリーは、2003年10月に東御市初のワイナリーとして醸造を開始しました。それから19年目となり、来年には20周年を迎えます。この19年の間に、東御市内のワイナリーは12軒まで増えました。
2013年に玉村が『千曲川ワインバレー ~新しい農業への視点(集英社新書)』を書いたのを契機に “千曲川ワインバレー”という言葉も定着し、千曲川沿いに、2003年には5軒程度だったワイナリー数も30軒ほどに急増しました。
ヴィラデストの“兄弟ワイナリー”であるアルカンヴィーニュでは、2015年から「千曲川ワインアカデミー」を開講し、千曲川ワインバレーを中心として日本各地で卒業生が活躍するようになりました。全国のワイナリー数も400を超えたようです。

また近年、日本ワインの表示ルールも整備され、昨年は国から「GI長野(Geographical Indication:地理的表示)」の指定も受けました。昨年は長野、山形、大阪のGI指定があり、これまで指定されていた山梨、北海道を含めると日本ワインの8割以上を量的にはカバーするようになったそうです。
GI認定を受けているワインは、製法や成分など決められた条件をクリアし、さらに官能検査でもその品質が一定以上であると認定されたもの。消費者にとっては、そのワインを安心して手にとることができますし、また、各産地のブランド化にも大きく貢献すると期待されます。特に日本のワインのことを全く知らない海外の人からすれば、日本の産地を理解するうえでの大きな指針になるのではないでしょうか。

このように、ヴィラデストができてからの19年間で、日本ワインを取り巻く状況は大きく、そして良い方向に変わりました。しかし、未だに、日本国内で消費されるワインの中で、日本ワイン(日本国内で栽培されたブドウを100%使用して日本国内で醸造されたワイン)の占める割合は、わずか5%程度だそうで、もっと消費者の認知を高めていく努力が必要だと考えています。
また、海外のワイン先進国ではよく見る、共同のビン詰め設備や製品倉庫、農業機械、そして、苗木のウイルス問題や少ない品種の選択肢など、ワイン産業を支えるインフラ面で解決していくべき問題はたくさんあります。
個々のワイナリーの努力ももちろん必要ですが、全国で400(長野県内で60)を超えたワイナリーが、地域的にそして全国的に、協力して解決していくことの重要性はますます高まってきているのではないでしょうか。

今年の1月、2月は、試飲を含めた多くのイベントが計画されているのですが、直近のコロナ感染者数の急増を受けて、すでに中止が決まったものもあります。出鼻をくじかれた感もありますが、コロナ禍も3年目に入り様々な対処法やノウハウが蓄積されてきていますので、開催されるものも多いだろうと期待しています。
すぐに“アフターコロナ”とはいかない状況ですが、“ウィズコロナ”の中で、しっかりと前を向いて進んでいきたいと考えています!

まずは、大宮で開催される長野県ワイン協会主催のセミナーをご案内します。オンラインでの参加も可能なので、ぜひご検討ください!!

*イベントの情報、お申込みはこちらから