遅ればせながら、今年もよろしくお願いします!
今年のお正月は雪が少し降った程度で、穏やかな新年を迎えています。
この3年間は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、ワイナリー業界、飲食業界は大きな影響を受けました。しかし、そのような状況の中で、オンラインを利用したイベントの開催や、動画やSNSを活用した情報発信、新しい販路の開拓や業務の見直しなど、困難な状況だからこそ、新たに取り組めたことも多かったと思います。
今年は新型コロナウイルスとの「共生」が本格的になり、経済活動は徐々に“コロナ前”に戻っていくものと思われますが、この間に学んだことを活かして、より進化したヴィラデストにしていきたいと考えています。
そして、今年はヴィラデストワイナリーが20周年を迎えます。少し年季を感じるようになった建物の改修を冬の間に進め、ショップやカフェは4月1日からリニューアルオープンの予定です。
20周年を記念したワインもいろいろ準備していますので、ご期待いただければ幸いです!
ヴィラデストワイナリーが20年前に開業した時には、東御市にワイナリーはヴィラデストのみ。ワイン用ブドウ畑も合計で1ヘクタールに満たないほどだったと思います (玉村が1992年に植えたのが最初です)。それが、今では東御市内にワイナリーが13場、ワイン用ブドウ畑は60ヘクタール以上になりました。
長野県全体で20以下だったワイナリー数も、昨年には70を超えましたし、日本全体では200以下だったワイナリー数は400を超えるまでになりました。
私たちも、現在では畑を約12 ヘクタールまで拡大し、また、“兄弟ワイナリー” のアルカンヴィーニュを設立して、2015年からは「千曲川ワインアカデミー」を開催するなど、千曲川ワインバレーや日本ワインの活性化に多少ながらも貢献することができたのではと感じています。
この20年間、特に直近の10年間で日本ワインの品質や認知度は大きく進化し、イメージもよい方向に変わってきたと思います。
また、この20年間で日本の物価はほとんど上がらず、円安も進行しましたので、海外のワインとの価格差は縮小しています。日本ワインの品質向上とあわせて、日本ワインの競争力は高まっていると言えるのではないでしょうか。また、海外から重たい瓶に入ったワインを輸入するより、日本で日本のワインを楽しむ方が、CO2排出量削減など、SDGsの観点からも良いように思います。
さらに、GI(Geographical Indication:地理的表示)制度も日本ワインの大半をカバーするようになり、今後、国内だけでなく海外に向けても、日本ワインをアピールしていくチャンスだと思っています。
このように盛り上がってきた日本ワインですが、この盛り上がりを更に高め、持続的に発展していくためには、個々のワイナリーが努力をすることはもちろんですが、業界がまとまって各方面へ日本ワインをアピールしたり、機械や施設の共同利用で効率を高めたり、日本の気候風土にあった品種を海外から新たに導入したりするなど、各地域、そして、全国レベルでまとまって協力することの重要性がますます高まってきそうです。
直近では、2月12日(日)に長野県ワイン協会主催の「GI長野ワインフェス2023」がJR長野駅ビル直結のホテルメトロポリタン長野で開催されます。
また、2月25日(土)には、東御ワインクラブ主催の「東御ワインフェスタ」が、しなの鉄道 田中駅近くのラ・ヴェリテを会場に開催されます。
そのほか、ワイン業界では少し時間のある冬場に、行政や有志主催の勉強会も活発に開催されています。
このような日頃の地道な積み重ねで、一歩一歩前に進んでいくことが大事なのだなと、新年を迎えて、あらためて感じています。