梅雨明け、そして夏本番です

2024.07.19

今年は、例年より遅い6月21日に梅雨入りしました。また、ブドウの開花は例年より少し早めの6月10日過ぎでした。開花時期に雨が降り低温になると、結実不良になることがあるのですが、今年は開花時期と雨がぶつからず、良好に受粉・結実したのではないかと思います。梅雨入り後は、それなりに雨が降りましたが、シトシトと降り続くこともなく、今のところ病気の発生は非常に少なく、ブドウは順調に生育しています。

 

そして、ここ数日は梅雨末期の大雨の様相になっていましたが、昨日7月18日、気象庁より関東甲信地方の梅雨明けが発表されました。新梢はまだまだ伸びますが、畑では摘芯アタッチメントを装着したトラクターも大活躍し、スタッフ一同、元気に畑の管理に励んでいます!

 

昨年は、8月が異常に暑く、気象庁ホームページのデータをみると、2023年は過去最高の年平均気温でしたが、今年も連日のように猛暑がニュースになっています。ヴィラデストのブドウ畑は、標高が約690m~920mと高い場所にありますので、今のところ、温暖化によりブドウが以前より完熟するなど、どちらかと言えば良い影響の方が多いように感じていますが、更に温暖化が進むとブドウの酸の低下や着色不良、また、雨が増えることで病気発生のリスクが高まるなどの悪影響も増えてきます。ヴィラデストでも将来を見据えて、新しいブドウ品種を試験的に栽培していますが、ブドウのためにも、人間のためにも、あまり暑くならないで欲しいものです。

 

ワイナリーショップでは、6月から樽熟成のブランデー「オードヴィー・ドゥ・マール」を発売しました。ヴィラデストでは、ワイナリーができたときから、蒸留酒(ブランデー)にも取り組んできました。主に、ブドウの搾り滓(かす)を蒸留したもので、イタリアでは“グラッパ”と呼ばれるタイプの蒸留酒です。搾り滓は廃棄物になるのが普通ですが、ヴィラデストでは搾り滓を蒸留してブランデーを製造し、さらに蒸留したあとは堆肥化して畑に返しています。廃棄物から逆に価値あるものを生み出すアップサイクルといえます。

 

イタリアの“グラッパ”は、樽で貯蔵しないホワイトブランデーが一般的ですが、一部では樽で熟成したプレミアムな“グラッパ”も製造されています。ヴィラデストでも、これまでは樽熟成しないタイプしか販売していませんでしたが、私は2007年に“樽熟成グラッパ”で有名なイタリア・ピエモンテのベルタ蒸留所で研修をさせていただいたこともあり、数年前からブランデーの樽熟成に取り組み、今回ついに販売を開始しました。
果実感と樽の風味が溶け合い、リッチで余韻の長い味わいです。数量が限られるため、ワイナリーショップ限定販売となりますが、ご来場の際には、ぜひお試しください!!