暑い日が続きます
東京2020オリンピックが閉幕しました。コロナ禍の中、開催には関係者の様々な苦労があったかと思いますが、アスリートの皆さんの活躍を連日自宅のテレビでワインを飲みながら(ビールもですが)観戦し、勇気と感動をいただきました。日本としては、史上最高の金メダル数でもありました。素直に喜びたいです。
今年は梅雨が約1か月と短く、梅雨明けしてからは夕立や一時的な雷雨があるものの、暑くてカラっとした天気が続いています。ワインブドウにとっては「べと病」などの病気の発生が抑えられる気象条件となっており、生育も順調に進んでいます。
ただ、収穫期が近くなれば、果皮の薄いピノ・ノワールなどは雨が降ると実が割れやすくなりますし、病気も発生しやすくなります。また、果実の糖度が上がってくれば、ハクビシンやタヌキ、鳥などの被害とも戦わなければなりません。
9月中旬から始まる収穫まで、まだまだ気は抜けませんが、オリンピックイヤーとなった2021年が素晴らしいヴィンテージになることを期待して、作業にあたりたいと思います。
先日、今年で定植から3年目となる御堂地区の畑の土壌調査を、長野県の専門職員の方が実施してくれました。新たに造成した畑なので、表土が薄く土壌中の有機物の量も少ないため、生育は遅めですが、毎年、堆肥を補って土壌改良をおこなってきました。3年目のブドウの樹は今年、一気に伸びましたので、来年は少しですが初収穫が望めそうです。御堂地区の畑の土壌は、ヴィラデストの丘の上とよく似た粘土質土壌ですので、ブドウの収量は多くはないものの、その分、凝縮感のある余韻の長いワインになるのではと考えています。
最近、「スマート農業」という言葉が盛んに使われるようになってきています。農業分野における作業の機械化や自動化、または、ICT技術を利用して農作物の生育を予測したり、より高精度に管理したりすることで作業負担の低減や省力化、生産物の品質向上を可能にする農業を指す言葉です。日本の農業従事者の高年齢化や、農業人口の減少を考えると避けては通れない分野だと考えています。
ヴィラデストワイナリーとしては、数年前から農機具メーカーのヤンマーさんによる、トラクターに取り付ける摘芯アタッチメントの開発に協力をしてきました。そして昨年、市販された第一号機を導入したのですが、作業のスピードは人の数倍、しかも快適に作業をすることができます。他の作業用にもアタッチメントが開発され、更に便利になることを期待しています。
また、今年は様々な会社の、リモコン草刈り機、自動農薬散布機、自動草刈り機など、いろいろな機械の実演を見せていただきました。農地は一般の道路と違い、凹凸があったり、石があったり、ぬかるみがあったりと状況の予測が難しい場面が多いので、まだまだ改良の余地があるというのが感想ですが、技術の進歩は非常に速いですから、近い将来にはこのような機械が活躍するようになるのでしょう。
例年であれば、8月から9月初旬は「ワイン&シードルガーデン in 長野」や「東御ワインフェスタ」など、収穫前のイベントが開催される時期です。今年も開催の可能性を探っていたのですが、昨今の状況から考えて中止となりました。ただ、関係者と協力して、消費者との接点が持てるような機会を、オンラインでの開催が中心になりますが検討しています。内容など決まりましたら、あらためてお知らせしますので、ぜひご期待ください!
先日、私も2回目のワクチン接種を終えました。今のペースでいけば、10月上旬には若い世代も含め、日本の人口の約7割が2回の接種を受けることになるそうです。
まだまだ、気の抜けない日々が続きますが、収穫の頃には事態が好転していることを望むばかりです。