今年も残すところあとわずかになりました
ブドウ畑では防寒のためのわら巻きや堆肥の散布などの冬支度が完了したところですが、12月14日には初雪があり、いよいよ本格的な冬がやってきました。年末年始から1月下旬までは、栽培、醸造ともに1年で最も静かな時期で、スタッフもまとまった休みが取ることができます。しっかり休息、充電して、2025年のシーズンに備えたいと思います。
今年2024年のシーズンを振り返ってみると、年明けは暖冬でしたが、3月~4月前半は気温が低い状況が続き、ゴールデンウィーク頃には急に汗ばむほどの陽気となって例年より数日早い萌芽になりました。5月10日には、ヴィラデストを含む広い地域で霜害が発生。ヴィラデストのブドウ畑への被害は軽微だったものの、改めて自然の中で営む農業の宿命を思い知らされました。
梅雨入りは例年より遅い6月21日。開花時期に雨がぶつからず、結実が良好でした。梅雨入り後、雨がシトシトと降り続くことはなく、ブドウは順調に生育し、7月18日に梅雨明けが発表されました。今年の夏も昨年と同様で非常に暑く、収穫開始はヴィラデストでは過去最も早い9月10日となりました。猛暑の影響で酸がかなり下がるのではと予測していましたが、9月の曇天の影響で酸が下がり過ぎることはなく、例年以上に手間と時間をかけて丁寧に収穫した果実からは、2024年のヴィンテージを映し出す、ヴィラデストらしい透明感のあるワインができあがると期待しています。
先日、長野県ワイン協会のワイン研究会という勉強会で、日本ワインブドウ栽培協会(JVA)代表理事の鹿取みゆきさんが講演をされました。講演の中で最近の温暖化についてのお話がありましたが、やはりこの10年間の気温上昇は異常なものがあります。気温が上昇すると、熟期が早くなるだけでなく、病気の発生が多くなったり、ブドウの酸度が低下したりなどの問題が発生します。すぐにできる対策としては、収穫時期を早めたり、除葉の程度を弱めたりなどがありますが、長い目で見ると新しい品種への更新が必要になるかもしれません。JVAには私も理事の一人として協力していますが、北海道から九州までの理事や会員の皆さんと情報交換しながら、将来に向けた準備をしていきたいと考えています。
今年もヴィラデストを応援いただき、誠にありがとうございました。
皆さま、楽しい年末年始をお迎えください!!
来年、2月1日には長野県ワイン協会主催の「GI長野ワインフェス2025」が軽井沢プリンスホテルで開催されます。長野県内の30ワイナリーが集結する貴重な機会です。すでに12月10日からチケット販売も始まっています。冬の軽井沢で、お会いできることを楽しみにしています!!