ブドウの新梢が伸びてきました!
ブドウ畑では、今年も新たに芽吹いた若葉が伸び始めてきました。これから暖かくなるにつれて、新梢の伸びは一気に加速し、畑仕事もそれにつれて忙しくなってきます。これからの時期は、急な天候の変化や梅雨の長雨など、いろいろと心配なことはありますが、その時々で早め早めに適切な対策をとることを心掛けつつ、スタッフ一同頑張ります!(言うは易しで、実際に行うのが難しいのですが..)
▲「ヴィニュロン会員2020」会員の畑
話は変わって、私もメンバーとして関わっている、長野県原産地呼称管理委員会や長野県ワイン協会では、「GI長野(Geographical Indication ; 地理的表示)」の指定に向けた準備をしています。すでに、ワイン(ぶどう酒)では「GI山梨」と「GI北海道」が指定されています。少し遅れを取りましたが、長野県は日本ワインの生産量第2位の県ですから、早期の指定が待たれるところです。
*酒類の地理的表示マップ(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/chiri/map.htm
長野県では、2003年から全国に先駆けて「長野県原産地呼称管理制度(会長:玉村豊男)」を県の制度として続けてきました。今回は、現行の制度を発展的に国のGI制度に移行しようというものです。まずは書類審査で認定基準を満たしていることを確認し、続いて官能審査で品質的にも一定の基準に達しているワインのみを認定するのは、これまでと同じ流れです。
*長野県原産地呼称管理制度(長野県)
https://www.pref.nagano.lg.jp/jizake/sangyo/brand/nac/sedo.html
ところで、GIについては、世間の認知度が高いとはとても言えず、ワイン業界の人でもなかなか理解していないのが実情です。
国税庁のWEBサイト(https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/mokuji.htm)には、以下のようにあります。
「酒類の地理的表示制度とは、地域の共有財産である『産地名』の適切な使用を促進する制度です。お酒にその産地ならではの特性が確立されており、産地からの申立てに基づき、国税庁長官の指定を受けることで産地名を独占的に名乗ることができます。
産地にとっては、地域ブランド確立による『他の製品との差別化』、消費者にとっては、一定の品質が確保されていることによる『信頼性の向上』という効果があります。」
長野県のワイナリーは小規模なワイナリーが多く、ワインの商品名も個性的なものが多く、商品名に「長野〇〇」を使用しているところはあまり見かけませんので、「長野」という名称が保護されることに対するメリットを感じにくい状況かと思います。
しかし、GIに指定されれば、日本国内に加えて海外でも「長野ワイン」という名称が保護されることになるだけでなく、「長野ワイン」を名乗るワインは一定以上の品質が保証されることから、国内外を問わず、「長野ワイン」のブランド力向上に向けた取り組みをしていくうえで、大きなメリットがあるはずです。
▲リンゴの花。ヴィラデストの近所でリンゴを栽培している農家さんの畑。
この畑のリンゴは「ヴィラデスト シードル」の原料にもなっています。
コロナ禍になって1年が経過しましたが、私の生活で一番変化したのは、オンラインでの会議やイベントが増えたことです。この1年間で多くの人がオンラインミーティングに慣れてきましたし、オンラインミーティングやオンラインイベントは、世界中、場所を選びません。
今後、「GI長野」が指定されれば、様々なアピールの機会が設けられることになると思います。せっかくこのようなタイミングですから、日本国内だけではなく、世界を意識したアピールが必要ですし、関係者の皆さんと協力して進めていきたいと考えています!!