ようやく春がやってきました

2024.04.01

今年の冬は1月、2月と暖冬でしたが、一転して3月は低温で雪や雨がよく降りました。雪や雨のため、畑仕事がなかなかはかどりませんでしたが、今は剪定作業が終了し、結果母枝の誘引作業を進めているところです。桜の開花は全国的に遅れていますが、このところ急に暖かくなってきましたので、ブドウの萌芽はほぼ例年並みのゴールデンウィーク頃になるのではと考えています。

ワイナリーでは2023年ヴィンテージの瓶詰めに向けて、ワインの樽出作業などを始めました。昨年の夏は記録的な猛暑になったこともあり、より熟した果実のニュアンスを感じるワインに仕上がってきています。アイテムによりリリース時期は異なりますが、早いもので初夏頃からの発売となります。ご期待ください!!

 

畑仕事などが本格的にいそがしくなる前の3月には、東京でいくつかのイベントに参加させていただきました。
3月20日には、パーク ハイアット 東京のレストラン、日本料理「梢」様にて、スペシャルワインディナー「ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー」を開催していただきました。「シュヴァリエ デュ タストヴァン」を持つ内藤邦夫氏のナビゲートで小西がヴィラデストのワインやワイナリーの紹介をし、吉田料理長が創り上げる和食とヴィラデストワインのペアリングをご堪能いただきました。すべての料理とヴィラデストワインの相性がすばらしく、料理とワインが完全に一体になっているようで感動しました。また、ソムリエチームの皆さんも、完璧な状態でワインを提供していただきました。ラグジュアリーな雰囲気の中、いつも以上に、ワインが真価を発揮しているように感じました。

また、3月24日、25日には、日本農芸化学会創立100周年記念大会の「Social gathering(ソーシャルギャザリング)」に出展させていただきました。10のワイナリーと酒蔵が、その相性を考え尽くしたフードと共に各自のお酒を提供し、1000人以上の研究者や学生が参加しました。ヴィラデストは東京・新富町のcoulis(クーリ)折笠シェフ(ヴィラデストカフェの元シェフ)とコラボレーション。「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ」には、その剪定枝を煮出した出汁で焼いたパンの上に、ヴィラデストで採れたフキノトウをつかったアイスをのせたフィンガーフードをあわせましたが、素晴らしいペアリングで大評判でした。

 

私自身、大学では農学部農芸化学科で学んだのですが、農芸化学は、土壌学、植物栄養学、有機化学、生物化学、微生物学などを包括し、今から思えば、すべてがブドウ栽培やワインづくりに関わる学問。大学時代には、将来ワインをつくることになるとは全く考えていませんでしたが、その縁に驚きます。大会実行委員長を務められた東京大学の東原和成先生が挨拶の中で、「ワインを飲むときには、その時に見た風景や、会った人、聞いた話などの情報を処理する脳の箇所が活発に働いていて、それらが共感覚となり記憶される」という話をされていました。「食」のサイエンスを支える研究者や学生の皆さんが、この場での体験を通じて、日本ワインや日本酒に興味を持ち、今後の活動に活かしていただければ嬉しいです!!