剪定も終盤です!
3月も下旬になり、ブドウ畑では剪定作業後の枝の片付けや、垣根のワイヤーに絡まったツル(病気の胞子がこれに付着して越冬する)などの除去を進めています。
春の萌芽までには、枯れてしまった木の補植や今年の結果母枝(種枝)の誘引作業など、まだまだ畑でするべきことは多いのですが、その間にも、2021年ヴィンテージワインのビン詰めなど、ワイナリー内での仕事も加わって徐々に忙しくなってきています。
この時期は、暖かくなったり、また寒くなったりを繰り返しますが、畑ではオオイヌノフグリの花が咲き始めるなど、標高850mのヴィラデストにも春が着実に近づいてきていることを感じます。
先日の地震の際にテレビを見ていて、地震が多い日本は、ヨーロッパと比べると、多様な地質が非常に細かく分布している、という話を耳にしました。
ヴィラデストワイナリーでは、ワイナリーの周りを中心として、数か所に畑が点在しているのですが、この狭い範囲の中でもかなり土壌の違いがあります。そして、その土壌の違いを最もワインに反映する品種が、ピノ・ノワールです。
ピノ・ノワールは、果皮が薄いために雨に弱く、日本での栽培は難しい品種と言われています。一方、日本でも有数の少雨で日照時間の長いエリアに属するヴィラデストでは、やや冷涼な気候を好むピノ・ノワールに適した気候条件の下、1992年に玉村が栽培を開始。その後も様々なクローン(系統)を試したり、果房への雨よけ(グレープガード)を導入したりするなど、試行錯誤をしながら畑を拡大してきました。現在では、ピノ・ノワールの品種個性を充分に発揮し、そして、日本らしい繊細な味わいのワインが生み出されるようになりました。
【ヴィラデストの丘の上にある畑】 | 【田沢地区の畑】 |
ヴィラデストのピノ・ノワールの畑には、大きく分けて【ヴィラデストの丘の上にある畑】と【田沢地区の畑】の2か所があります。畑の土壌は、前者は褐色森林粘土で、後者は火山灰性黒ボク土。それぞれの畑から収穫されたブドウで仕込んだワインは、色合い、味わい、香りともにかなり異なるキャラクターを持ち、それぞれの魅力を持っています。そして、通常、みなさまにお楽しみいただいている「ヴィラデスト ピノ・ノワール」は、その2つの畑から生まれたワインを原酒として、最終的にブレンドすることで、調和(ハーモニー)をとっています。
ヴィラデストワイナリーは、2003年に東御市初のワイナリーとして誕生し、来年で20周年を迎えますが、今年は、「20周年プレ企画」として、ピノ・ノワールのこのようなテロワールの違いを味わっていただく企画を準備しています。
ピノ・ノワールのそれぞれの畑を見学し、ワインの違いを樽の段階で確かめ、そして各樽を後日別々にビン詰めし、それらのワインをお届けする特別企画です。詳細については、近日中に発表いたしますので、ご興味のある方はぜひご検討ください!!
世界的に不安定な状況が続いていますが、一刻も早く平穏で平和な世界を取り戻し、ワインを心から楽しみたいものです。